エピローグ:50歳 いきなり始まる転職活動
未曽有のコロナ渦が広まり、異例の接触制限が日常となりつつある頃、最も、影響を受けるホスピタリティ(ホテル)業界の勤務先にも、出社制限がアナウンスされた。宿泊客の減少=売上の減少となるわかりやすい構造の下、投資ファンドの力が強い勤務先では、最低限の運用を残し、し烈なコストカットが始まった。
し烈なコストカット
日々のホテルの宿泊オペレーション(フロントやサービスなど)を除いた間接部門を中心にし烈なコスト削減が始まる。
- 各種投資、広告宣伝費の全カット
- 出社制限、更には、隔日勤務
- ホテルの売却、更には、休業
- まずは賞与の廃止、加えて、管理職は、通常給与の3~50%削減
コロナの拡がりとともに、必要最低限の仕事以外、全てが縮小、削減となっていく。生活すらおぼつかない大ダメージが生じた。そんな時、広告宣伝部門の出社制限&部門の解体が決定。コロナの深刻な影響を考えると、「来る時が来たな」という気持ちと「まー、しょうがないか」という達観が混在していた
「転職しかないな」
家族を養う身として、この決断は、至極当然のことだったし、その決断には躊躇はなかった。しかし、いくつかの懸念があったことも確か。まずは、新しいプログラムを築き上げることに取り組み、完成までもあとわずか。加えて、モチベーションの高い部下との仕事に意欲を感じていた。世の中に最終版を作り出すことが出来ないことに対する後悔。
「苦戦するだろうな」
そして、コロナ渦という未知なる感染症に、世界中が恐ろしいスピードで縮小してく中、転職活動も、苦戦することが容易に予想できる最悪のタイミング。
けれども、生活のため、転職以外、現実的な選択肢が無いことも、理解していたので、その時から、不退転の決意でスタート。 歳も50を超え、現在の収入の基準、管理職位なども、前向きな武器にはならないなーと思いつつ、自身の経験、スキルを信じ、50歳を過ぎた転職活動を開始。
その転職活動の経験、ノウハウを備忘録として留め、時には、誰かの参考となればと思い、この貴重な格闘経験を書き残すこととした